|
過労死・過労自殺研究会について
当会は、労働災害についての専門家である社会保険労務士で構成され、「過労死」をテーマに掲げ、東京都社会保険労務士会にて公認されている自主研究会です。
過労死・過労自殺(「過労死等」という)は、社会問題として広くマスコミに取り上げられ、多くの悲劇が報道されています。
なぜ過労死等が取り上げられることとなるか、一つには過労死等の請求に対して、労働基準監督署(「労基署」という)の支給決定(認定)が出にくく、裁判等でようやく認定されるということです。これは、労基署が認定する際「疑わしきは支給せず」ということにほかなりません。
本来の法の趣旨から考えた場合には「疑わしきは支給」ということが必要です。
例えば、有名な「電通事件」においても結果から見れば明らかに過労自殺の事案でありながら、平成八年四月に労災の請求をしたものが、認定されたのが平成十年八月で実に二年五ヶ月を要しています。
一方、被災者・遺族(「本人等」という)が過労死等として認定申請をする場合、不慣れなため、過労死等の実態を立証するための書類が十分整わないうちに書類を提出し結果、不支給となってしまうこととなります。本人等が認定申請の書類を作成し、業務上を立証することは相当難しいものと思われます。
その後、審査請求、再審査請求をすると三年から五年以上、長い場合は十年位の年月がかかり、その間の本人等の生活をどのように支えていくのか、全く法の趣旨に反しているものとなっています。
過労死等は業務上の災害であり、労働災害における労災請求は、社会保険労務士(「社労士」という)の固有の業務であり、熟達した社労士が請求することにより、迅速、確実に認定が出るものと思います。過労死等の事案を受託する場合に、社労士自身が十分な知識を持っていなければなりません。 過労死等の認定申請についての書籍なども殆どなく、労基署が定めている認定基準が拠り所となっているのが現状です。
本人等からの相談時に業務上外の判断をする場合、基礎知識を持った上で、感情に流されず、客観的に判断し、冷静に対処する必要があります。
その上で、本人等に詳細に説明責任を果たすことにより納得をしてもらい、過労死等の事案を受託するべきであると思います。不幸にして過労死等を発症したときに、本人等の代理人として社労士が認定申請することにより一人でも多く、一日も早く災害補償給付が受けられることが大切と思います。
当研究会は、過去の支給または不支給の事例研究、労基署が定める認定基準の研究、判例の研究を行うことと実務に即した書類の作成等の研究を行うことによりこれからの過労死等の事案に対処していきたいと思います。
|